「今後は楓まで、とは言いませんが、輝辺りの体型にはなってもらわなければなりませんからね」

ちなみに体型の強弱を不等号で表すのならば、
涼の父様>鷹≒楓≫一輝=大翔>輝≫玲≫≫蘭≫≫≫≫≫≫越えられない壁≫≫≫≫≫≫≫涼。

「え、待って、俺って蘭よりも下なの?!」

「当たり前です。こんなほっそい腕しやがって」

「だったら尚更家に帰ろう。ご飯食べなきゃ……」

「今食べても涼は吐くでしょう? さ、こっちへ来な、さいっ!」

来なとさいっ! の間で涼は腕をぐいっと引っ張られ、鷹の胸板の中へ飛び込んでしまった。

「さっさと行きましょうねぇ?」

鷹に抱かれたまま涼が見上げればそんなことを呟きながら微笑む鷹。あ……あの、目が笑っていません。

自分の身の危険を感じ、そこでやっと気付く騒ぎ声。気付くのが……遅すぎた。

「……やべ、一輝の姉さんだ」