ところ変わってここは新宿の某有名百貨店。なんでも俺の服を買ってやる、とかどうたら。……いや、もう十分持っているんだが。何で女子ってこんなに買い物好きなの?

と、ある店で男性二人が服を手に取り話しているのを見つけた百合が、騒ぎ出す。

「ちょ、涼が居るわ! あの隣の人は、背の高い人は誰? 涼の恋人でしょ? ねぇ、そうでしょ? 私の萌のためにもそうだと言って」

百合の目線の先には涼と鷹さん。この腐れ女子が。鼻息が荒いぞ。

「違う。あれは執事……だっけ?」

「たしか……?」

念のため、雛に確認を取る。だって、涼のお世話係って言った方が正しいのかもしれないし? 雛も疑問形だが。

「なにそれ凄く美味しい。禁断の恋なの?」

「違うって!」

「じゃあ、何よ? 私にはカップルにしか見えないわよ!」

「百合さん落ち着いて!」

「雛の言う通り! エロ本読みすぎ!」

「雛ちゃんはエロ本なんて言わないわよっ!」

……そこかよ。