「はい? 跡の付け方を教えてほしい? 今、そうおっしゃいましたよね……?」

蘭と悠斗を帰らせ、涼との手合わせを終えた鷹はベッドメイクをしながら涼の言葉を再度、繰り返した。何せ涼がこういうことを言ってくるのは大変珍しいことなのだ。

「……うん」

「俺に、ですか?」

「そう、鷹に」

「何故です? 涼はまだ知る必要性が全く無いはずですが」

「蘭に付けられなかったんだもん……」

「え……?!」

涼の口から衝撃的な言葉が漏れ、シーツの皺を伸ばす鷹の手の動きが止まった。

「卒業したんですか……?」

貞操は叔父さんに奪われたが、童貞はまだ卒業していない。残念ながら。

「……してない」

「では、何故?」