「ねぇ、涼?」

「何だ?」

「特進って……何?」

蘭の何だかよく分からない質問に涼は一瞬、ん? と、首を傾げたが、答えた。

「……特進って言えば特別進学クラスの略で主に大学受験を目指すやつが入ってくる。だから受験の時も内申がどのクラスよりも必要にな……」

蘭に途中で言葉を遮られ、そうじゃなくて、と言われる。そこで涼は一体何なんだよ、と呟いた。

「うーんと、だからぁ……」

うーん、と蘭が頭を抱えだす。

「金持ちが集まるクラス、だろ?」

頭がなかなか回らない蘭を見兼ねた一輝が話に乱入してきた。

「皮肉だな」

「ふん」

「あのー……」

「何だ?」

「だからこんな大きいホールに城華の特進の生徒だけなの……?」

「まぁ、だいたいはな」

「たりよばー……」

と、蘭が奇声を出す。

「お前、ホントに日本人?」

「日本人だよ……」