「はいはい。蘭、落ち着こうか」

「に゙ぃ……」

背中をぽんぽん、と数回叩くとやっと蘭は落ち着いたのか泣き止んだ。

「チャンスはあるって。高等部に入れば同じクラスでしょ? 奪っちゃいなよ。玲とかいうやつから」

そう。涼は城華学園高等部の特進クラスに、そして蘭も同じ特進クラスなのだ。勿論……というべきか、玲も特進クラスなのだが。

「に゙……できるかな……」

「大丈夫大丈夫。なんとかなるよ」

「水ぁぁぁ……っ! 俺、頑張るぅ!」

「うん。頑張れ」




この時、波乱万丈の高校生活を送るなんて誰が考えただろう。