「りょーうーっ!」

「何?」

「お腹減ったー!」

「そうか……」

と、涼はポケットから携帯を取り出し、時間を確認した。12:32……。

「もうこんな時間か」

「ご飯食べよう! 俺、そこら辺のホットドッグ買うぐらいのお金はちゃんと持ってきたんだよ!」

つまりは500円程度しか持ってきていない、と。
ガキのこずかいか?

「良いよ、俺が奢る」

「に゙? おご……? いや! 俺、水着も買ってもらっちゃったし……あ、でも水着のお金は返すよ! だからっ、だから、ね!」

必死に自分が払う、という意思を示す蘭を涼はくすっ、と笑い蘭の頭を軽く撫で宥めるように言った。

「良いよ。蘭は手持ちあまり無いでしょ?」