「良かった」

「ふに゙……」

若干泣きそうな蘭を見て、涼が一瞬迷う……。

「怖かった……?」

自分もこれで怖い想いをしているのに、蘭に無理強いしては可哀相だし、自己中すぎる……。

「ちょっと……だけ」

と、涼に抱き付く蘭。
いつものように勢いのある、押し倒されそうなくらいの抱き付き方じゃなくて……、嗚呼……怖かったんだな……。

「ごめんね?」

そう言い、蘭の頭を撫でる。

「っ……涼が怖いわけじゃないからね!」

「知ってる」

「涼のこと大好きだもん……」

「うん。知ってる」

「……して……」

「うん……?」

「キス……は、して……?」

「……良いの?」

「ん……」