「ふに゙ぃぃぃ……」

「……」

今、涼より先にお風呂に入り、泣きそうになりながらも(というかすでに半泣き状態)ベッドの上で正座をしているのは蘭。
そしてその向かいのベッドでお風呂に入った後の火照った身体を冷やすために上半身は裸のまま無言で蘭を見ているのは涼。

「……そんなに落ち込まなくても」

「だってぇ……!」

「何も俺の服に料理をこぼしただけでなく、飲み物の入ったグラスまで落として割った事くらいじゃ誰も怒らないよ」

「に゙……」

涼は蘭の傷を抉り、さらに塩を塗りたくる。

「たしかにホテルの人は変な顔してたけどさぁ……」

「に゙ぁぁぁ」

「ま、俺は怒ってないわけだし、さ?」