「……蘭のその格好は何だ?」

鷹に細かいところを直してもらっている涼が蘭を見つけて言った一言がこれ。

「ゔあー……」

「泣いたら化粧が落ちるでしょう」

「泣いてないですー……」

蘭の浴衣は薄い水色地に金魚の模様が描いてあり、それを赤の半幅帯でしめてある。
睫毛を上げ、薄く紅をひき、髪の毛は少しだけ横に結び、そこにとんぼ玉の簪がささっている。

「何で女物……?」

すごい似合ってて、可愛いんだけどさ。

「蘭にはこれしか似合わなかったんです」

鷹曰くこういうストーリーがあったらしい。