「りょ……っ!」

「ん……?」

「も……苦し……い」

涼の道着の裾を引っ張り、息が苦しいことを伝える。

「そんなに苦しかった?」

「……うん」

ロッカーにもたれかかり、息を整える。こうでもしないと立ってなんかいられない……。

チラッと上目遣い気味で涼の顔を見てみれば、苦しそうな気配など微塵も無い。

慣れてんのかな……?

「に゙っ」

また顎を持ち上げられる。
でも今度は唇を重ねるんじゃない、涼の顔が俺の顔よりも少し下にある。

「ひっ!?」

首筋に涼の舌が這う。
その生暖かい感触にビックリしてしまった(だっていきなりなんだもん)。

「……冗談だよ」

「へ……?」

頭をよしよし。と撫でられる。

「行こっか」

「は……はわ?」

状況が掴めない。