「一緒にやろっか」

「え? 涼、もう着替え終わってるじゃん」

どうやって一緒に結ぶの?

「大丈夫」

後ろから蘭を抱くような体勢になる。

「に゙ぎっ!?」

「こうすれば一緒にできるでしょ?」

「でも……」

「どうしたの?」

耳元で優しく問い掛けられる。吐息がかかってくすぐったい……。

「恥ずかしいよ……」

傍から見れば抱き締められているように見えるだろうし……紐を結んでもらうだけなんだからなにもここまでしなくても……。

「大丈夫。皆居ないし」

「……へ?」

そう言いながら涼は紐を絞め始める。頑張って周りを見渡せば俺と涼以外誰もいない。つまりあれだ、二人っきり。