「蘭……?」

「ふぇ……?」

「どうしたの?」

「な……何が……?」

「泣いてる」

指先で蘭の涙を拭う。

「に"……」

今蘭に耳と尻尾がついていたら、確実に垂れ下がっているだろう……。

「何かあった?」

「何もないもん……」

「じゃぁ、何で泣いてるの?」

「ご……ご飯……美味しいからだよ……!」

「ふぅん……?」

たしかにご飯を食べた形跡はあるけど……?

「それに、泣いてないし……」

「泣いてたじゃん?」

さっき指先で涙を拭ったんだぞ?

「こ……心の汗だ! 心の!」

「……プッ」

「なに!?」

「マジでそんなこと言うやついると思わなかった……」