「……食べないの?」

「うーん……」

「これ、すんごいおいしいよ!」

あ。なんか今、幼稚園児がいたような……。

「本当に美味いの……?」

今まで嗅いだ事の無い程の香辛料の香に訝(イブカシ)しげな顔をした涼が聞く。

「心配しなくても美味いから。凡人なんか三杯目だぞ?」

「よく入るよな……」

「だって美味しいんだもん!」

「はいはい。……ほら剣ヶ峰がこんなに言うんだから大丈夫。美味いよ」

蘭が言おうが、一輝が言おうが、玲が言おうが涼は食べようとしない。

「ったく……涼は仕方がない人ですねぇ……」

「へ?」

その言葉と共に鷹は蘭の手をスプーンごと掴み……。

「ほれ。あー……」