「いってー!」

「凡人うっせーよ……」

「だってー! 見ろよこの血!」

「はいはい。分かったから静かになさい……もっと痛い目見たいんですか?」

「いえ……」

サバイバルしたのは蘭だけだったようだ……。

「まさか剣ヶ峰があそこで盛大に転けるとは思わなかった……」

「まぁ……凡人だから」

「なんだよ、その根拠」

「あっはは」

蘭は転けたのだ。裏口で。
ちょうど袖を捲って着ていたということもあり腕を盛大に擦り剥いた。

蘭だけね。

「そういえば涼はー?」

「シャワー浴びてますよ」

「み"っ!?」

「……凡人」

「なっ……別にシャワー浴びてる涼を妄想したとか……そんなんじゃねぇって信じてねぇな!?」

蘭キモーい。