「動くなよ?」

「うん」

「いくよ?」

「……ひぅっ!」

そこに当たる感触。
痛くないかな……?






「に"ぃあー……」

左に開いた穴にビビって半泣きの俺。

「泣くなんて……それでも男ですか?」

ピアスをあけてくれてるのは涼なんだけど、もしもの時も考えて鷹さんも一緒にいる。

ちなみに鷹さんとはあの口の悪い人。涼の付き人ね。

「男です……」

「まだもう一個ありますよ? なんなら俺が開けてさしあげましょうか?」

にっこりと、でも目は笑わない。

「に"ーっ?!」

「あー蘭おもしれー」

「おもしろくないもんっ!!」

「それ以外に取り柄なんて無いでしょう認めておきなさい」

「ぅ"……ごめんなさい……」

この2人が絡むと勝てない……というか鷹さん怖い……。

俺はピアスを左に二個右に一個あけることにした。

軟骨にはあけないけどね。