プラチナの誘惑

「…ベッドに運ぼうか?」

二人の足元に膝をついて男の子を見つめる逢坂 柊さんも優しくて愛情いっぱいの表情をしていて。

「…ドラマみたい…」

思わずそう呟いてしまった。
映画やドラマの世界で見せる姿も格好よくて、立っているだけでひきつけられる魅力があるけれど。

長身の体全てで逢坂さんと子供を包み込む背中は愛情しか感じられない。
子供と交互に見つめる視線は逢坂さんしか見ていないし誰にも入り込む隙間なんてない。

お互いがお互いの一番で。
他には何もいらないんだな…って見てたらすぐにわかる。

ほとんど願望…。
私が抱える夢のほとんどを今目の前の二人は現実に手にいれてる…。

誰にとっても一番目の存在になれない私の現実は
願望とはほど遠い…。