ほんのり暖かい金曜の晩は、大通りに面していることもあってか途切れる事なく店の前を人が通り過ぎていく。
昴に電話を切られてしばらく。
宴会に戻るほどの気持ちになれなくて、何をするでもなくお店の外壁にもたれながらぼんやりとしていると
「さ、帰ろうか」
扉が開いて出てきたのは逢坂さん。
私の鞄も持ってきてくれて、はいっと手渡された。
「日付も変わったんだし、とっとと帰ろう。
タクシーで送ってあげるし」
にっこり笑って、タクシーを探そうと大通りに向かって歩きだす逢坂さんだけど…。
「あ…あの。宴会はもう
終わったんですか?」
「ううん。きっと始発が走り始めるまで続くよ。
そこまで付き合ってられないから帰るの。
明日は子供の卒園式なんだ」
ふふって笑う横顔はまさに母親で。
オンからオフに切り替わった瞬間を見たよう。
昴に電話を切られてしばらく。
宴会に戻るほどの気持ちになれなくて、何をするでもなくお店の外壁にもたれながらぼんやりとしていると
「さ、帰ろうか」
扉が開いて出てきたのは逢坂さん。
私の鞄も持ってきてくれて、はいっと手渡された。
「日付も変わったんだし、とっとと帰ろう。
タクシーで送ってあげるし」
にっこり笑って、タクシーを探そうと大通りに向かって歩きだす逢坂さんだけど…。
「あ…あの。宴会はもう
終わったんですか?」
「ううん。きっと始発が走り始めるまで続くよ。
そこまで付き合ってられないから帰るの。
明日は子供の卒園式なんだ」
ふふって笑う横顔はまさに母親で。
オンからオフに切り替わった瞬間を見たよう。

