プラチナの誘惑

きっと私の性格から考えて。
ずっと悩みながら…昴を好きになればなるほど
不安に包まれて生きていくんだと思う。

お互いに一番愛し合って、誓いを立てても。

ほんの小さな事で疑って泣いたり、昴を怒らせたりするんだろうな…。

多分、人を好きにならずに生きていく方が平穏で楽だと思う…。

昴の事で一喜一憂する毎日なんて疲れ果てそう…。

それでも、一緒に生きていく人生を選ぶって事は苦しみや辛さや不安を抱える…受け入れる覚悟ができた自分を認めるって事なのかもしれない。

誰の事も期待しないで。
ただ同じ毎日を過ごしていた人生から離れて。

今まで誰の一番でもないと思いこんでた空虚な人生から離れて。

昴が好きすぎて疲れる人生に進路を変えて。

新しい未来への誘惑の印。

プラチナリングをはめて。

昴と二人で笑っていこう…。

隣で力強く歩く昴の腕に私の腕を絡ませて寄り添いながら。

「小さなダイヤ付きのリングがいいな…」

新しい人生への誘惑のプラチナに想いをはせながら。

昴の絵に負けないくらいにきれいな虹が空にかかっている朝を。

甘く愛されてる朝を。


この先ずっと忘れない。





【fin】