プラチナの誘惑

「あ…そうだ…。
忘れられない女の人って…?
どういう意味なの…?
で…えっと…この方々は一体…誰…?」

そう。
さっきまで泣きそうだったのは、昴にとって忘れられない女の人って誰…?ってぐるぐると思考がループしてたからで…。
まだはっきり聞いてない答えが気になって仕方ないけれど。

そっと視線をずらして目に入る…私の腕をがっちり離さない手も気になって…。

「…この状況がわからなくて…何だかおかしくて…」

くすくすと笑ってしまう。
いつも落ち着き払っていて、自分のペースを貫き通す昴が右往左往してる様子もおかしくて…。

何だか幸せで…。
思いがけず…笑顔にもなる。

「…で、この方々は…」

「…兄貴と兄嫁。
この会社の次期社長だ」

拗ねたように呟く昴は、悔しそうに二人を睨んでいる。
どこか親しげな空気もあるけれど…。

「あ…お兄さん…。
…え?お兄さん?」

はっと見上げると、兄嫁だと紹介された人の肩を抱き寄せてくくっと笑ってる男の人と目が合った。

どこか昴に似た容姿は私の気持ちを穏やかにしてくれる。

そして…。

驚くような言葉。

「何?昴が描いた虹の絵を見に来たのか?」

…しばらくして。
お兄さんの言葉の意味が私の脳に染み込んで…。
理解して。

「えーっ」

と大きな声と共に昴を見ると、ははっと笑いながらも嬉しそうに照れてる瞳…。

嘘…。本当に?