プラチナの誘惑

お互いの体温を分け合いながら、気持ちを共有して。
一緒にいられる…生きて一緒に未来を考える事ができる以上の幸せなんてない。

柚さんと野崎さんが必死で求めている幸せを、私は昴と手にしている…。

過去の事で心を痛めたり自分を悲劇のヒロインみたいに落ち込んだり…。

そんなの全然悩みなんかじゃない。
昴が笑って側にいてくれて、私を

『愛してる』

と抱いてくれる。

生きて笑いながら愛し合える幸せ以上の幸せなんかない。

「…昴が大好き。
ずっと側にいて…。
どこにも行かないで」

相変わらず抱き着いたまま呟く私の様子に驚いたのか、しばらくは軽くだった昴の腕にぐっと力が入った。

力強く抱きしめられて、首筋に感じる昴の吐息が熱い。

「離さないよ。
ずっと側にいろ。
俺のほうが彩香を欲しがる気持ちは強いんだ…

愛してる…誰より」

はぁ…と小さく息を吐いて、背中をとんとん叩いてる昴の気持ち…。
じんわりと私の心が吸収していく…。

愛されたいという願いが昴に叶えてもらって。

生まれて一番。

自分が極上の幸せの中にいる気持ちになった。