プラチナの誘惑

「へえ。若手には告白とかするいいきっかけだな」

柳さんから裏イベントの中身を聞いた相模さんは優しく笑いながらつぶやいた。

「…そんなのに頼らなくても、俺も…柳も幸せだけどな」

と一言添えるのを忘れないところが格好いい。

奥さんと子供を愛し過ぎて疲れる…って言ってるとも噂に聞いた事があるし。

いいなあ…。

ぼんやりと考えてると、隣の昴が思いついたように。

「彩香は?誰かに気持ち伝えたりするの?
パーティーで」

「え…?しないよ。
好きな人いないし…」

「ふーん」

…?

伏せられた瞳の奥にどんな感情が現れたのかを見ることはできないけど、声は何だか不機嫌。

「どうしたの?
昴はしちゃうの?
パーティーの裏イベントにのっかって」

そう言いながらも、そんな事、して欲しくないなあっていう気持ちを自分の中に感じてしまって、何だか小さな声で聞いてる…。