プラチナの誘惑




小椋さんの車で昴のマンションに送ってもらった時には、日付も変わっていた。

後部席から日和と小椋さんの後ろ姿を見ても、まだ二人が恋人同士だとは思えないけど、時々交わす言葉や視線には、お互いに思いやる愛情が見えて納得できる。

今まで、全く気付かなかった二人の恋は、きっとうまくいくんだろうと予感できる…。

「ねえ日和は、小椋さんの中に誰がいるって思ってたの?」

はっと思いついて聞いてしまったけれど…
瞬間固まった日和の肩を見ると…聞かない方が良かったと後悔。

「あ…ごめん。
二人の問題だもんね。
答えなくていいから…」

慌ててそう言い直す私の心臓はばくばく言って、どうしようかとばかり思ってしまう…。

「ほんと、余計なお世話だよね…」

小さな声で謝ると、肩越しに振り返った日和は

「いいよ。
もう大丈夫だし…。
…私の誤解だと思うし」