プラチナの誘惑

淡々とした、他愛ないメールが、私の不安をかなり軽くしてくれて。

昴からの着信履歴30件が
残った不安を期待に変えてくれる。

こんなに近くで過ごしたのは、ほんの数日で、昴の心の奥をちゃんと理解できているわけじゃない。
何度も何度も自分にそういい聞かせて、昴への期待や甘い気持ちを抑えようとするけれど。

思い出したり感じたりするのは。

昴のまっすぐな目だったり、体温が重なった時に自然と穏やかになる鼓動だったり。

昴から受けた影響は、全て私の気持ちを昴に向けさせて受け入れさせるもので。

さっき昴のマンションから逃げ出したのは、最後まで昴の存在を私の中に取り込む不安を拭えなかった私の弱さからくるものだと…。

もう認めるしかない。

そう。
昴につかまってしまった。
抱かれた事だけが理由じゃない。
昴の事を、少しずつ好きになっていた気持ちを素直に解放したから。

昴を信じる自分を信じよう…。

私を大切に思ってくれているだろう昴を信じよう。

たとえ昴の中に忘れられない人がいても。