プラチナの誘惑




ずっとずっと。

願いは一つ。

好きな人に一番に好きになってもらう事。
特別に愛されて大切にされる事。

出来すぎる姉さんの影にいた私が、両親に気に入られるために顔色をうかがったり、自分の気持ちを抑えて我慢したり…。

そんな日々を当たり前のように過ごしていたけれど。
高校受験の時に、初めて両親に逆らって、自分の気持ちを押し通した。

できるなら私に医者になって欲しいと言っていた両親。

小さな頃から観るのも描くのも大好きな絵の道に進みたかった私。

私って頑固だったんだなと気付くにはあまりにも簡単で、両親の希望には耳を貸さず。

『美術科のある高校に入る』

あまりにも強い意思を見せる私に驚いた両親は、中学の担任からの薦めもあって渋々納得してくれた。

それ以来、自分には自分の世界がある…という心もとない自信を抱えて今までを生きてきた。