プラチナの誘惑

普段強気な顔しか見せない日和が時々見せる弱気なかわいさ。

いつも側にいるから微妙なタイミングで感じる事ができる日和のもろさ。

「…恋愛には慣れてないから…私を頼りにはできないかもしれないけど。

何かあった?」

「…何もない…っていうか、なくなったから」

「は?」

「今日はこれ以上言いたくない」

俯せのままの日和の声は、聞き取りにくいけれど確かに震えてるし、泣いてるようにも聞こえてくる。

いつも日和に聞いてもらうばかりで、何もかも頼るのみの私。
仕事の相談になら力にもなれるけど、多分色恋絡みに違いない日和の悩みを聞くのも察してあげる事もできない。

「…経験不足でごめん」

「関係ないよ」

「…?」

むくっと起き上がった日和は。

「経験なんて関係ない。
恋愛も結局は人間関係の延長なんだし。

私が彩香に何もかもを言わないのは私の性格。
彩香の経験なんて関係ないし」