プラチナの誘惑

「彩香の事…大切にしてると思うけど?」

「え?」

日和のいつもは見せない重く真剣な表情は、何かを知っているのかと、私の気持ちも真剣なものにしてしまう。

まだ何か言おうとしている日和。
かわいい顔…。

「入社してからずっと、昴は彩香の事よく見てたよ。
特にこの二年は見てるだけじゃなくて、欲しがってた」

「…は?欲しがってた?」

何だか言葉のニュアンスが色っぽくて、顔が赤くなっていく自分がわかる…。
欲しがってたなんて…。
言われ慣れてないし…。

どう反応していいんだかわからないままいると。

くすっと小さく笑った日和…。

「もともと、女にはモテてたけど…まぁ彼女も
いた時期もあったけど
昴はずっと彩香を見てたよ。
側に置きたいって目でね」

「…そんな事…ないよ」

「ううん。一番彩香の側にいてた私にはあの視線は無視できなかった。
すごく…彩香を欲しがってる切ない目だったもん」