プラチナの誘惑




今朝、この部屋を出てからまだ半日しか経ってないのに。

気持ちの揺れ幅が大きな出来事がいろいろと続いたせいか、かなりの時間が経った気がする。

夕べ…昴に抱かれて知った自分の新しい感情にも戸惑ってる。

昴に触れられた身体のあらゆる部分が敏感になって、今までの自分じゃないような…。

求めてしまうのは、昴の心だけど。
まるで魔法をかけられたみたいに昴の身体も求めてしまう。

今夜これから、昴が予告してくれたように…また同じ幸せを昴の腕の中で味わえるなら…。

せめて夕べより、昴にも満足して欲しいな…。

今までの経験してこなかったあらゆる事を初めて残念に思う。

ふっと、小さく息を吐きながらも自然と口元が緩んでしまう自分にどきどき…。

手の平にずっしり重いキーホルダーを見つめた後…。

夕べから気になっている幾つかの事に少し痛みを感じながらも。

がちゃっ。

昴からもらった合鍵を使った。

そして…。

ゆっくり開けたドアの向こうには明るい光…。
テレビの音も聞こえて。

おいしそうな匂いまで感じる。

…どうして?
誰か来てるの?