マンションに着いた途端に昴に引き寄せられて唇に熱いキスが落とされた。
重い雰囲気を拭うかのような深いキスに驚いたけれど、頭の後ろに回された手は、逃げる事を許さなくて。
慣れないながらも必死で応えた。
「っ…すばる…」
荒い息遣いのまま話そうとした私の唇を飲み込むような激しさがどんどん右上がりになって、二人の気持ちが抑えられるのかわからない不安を感じた時。
そっと私の体を離した昴は、射るような目で
「先に行ってて」
と言いながら、ジーンズのポケットから部屋のキーを取り出した。
『sweet sweet』
のロゴが入ったキーホルダー。
瞬間、夕べから持っていながら考えないようにしていた不安が溢れてきた…。
私の手を取り、手の平にしっかりと置かれたキーは思った以上に重い。

