「彩香は医者になろうって思わなかったのか?」
真面目な声。
昴の言葉は予想外。
そんな質問は考えてなかった。
どう答えようか…。
何故こんな質問を突然するのか、昴の真意がわからなくて慎重になる…。
「…なりたくてもなれるわけじゃないし…。
私の成績じゃ医学部に入るなんて無理だったし」
「親はそれでいいって
言った?」
「ん…。いいって言うか諦めてた…かな。
私がデザインの道に進みたいのも知ってたし。
あまりにも期待されてなくてがっかりしたくらい…」
その当時の寂しい気持ちをふと思い出すと、今でも切なくなる。
無意識に小さくなる声に何かを感じたのか、私の手を握る昴の手がぎゅっと強くなった。
見上げると。
同じように寂しそうな目をした昴…。
「俺は…どうせなら親父の会社を継いでも良かったかなって思わないでもないな…」
「え…?」
真面目な声。
昴の言葉は予想外。
そんな質問は考えてなかった。
どう答えようか…。
何故こんな質問を突然するのか、昴の真意がわからなくて慎重になる…。
「…なりたくてもなれるわけじゃないし…。
私の成績じゃ医学部に入るなんて無理だったし」
「親はそれでいいって
言った?」
「ん…。いいって言うか諦めてた…かな。
私がデザインの道に進みたいのも知ってたし。
あまりにも期待されてなくてがっかりしたくらい…」
その当時の寂しい気持ちをふと思い出すと、今でも切なくなる。
無意識に小さくなる声に何かを感じたのか、私の手を握る昴の手がぎゅっと強くなった。
見上げると。
同じように寂しそうな目をした昴…。
「俺は…どうせなら親父の会社を継いでも良かったかなって思わないでもないな…」
「え…?」

