プラチナの誘惑

肩を滑る昴の指先からも、夕べ私の身体中を這った感覚がよみがえってきて…身体の深い所からあらゆる想いが再生されていく…。

「ここ…弱いんだな」

耳元でささやきながら、首と鎖骨の境目あたりをゆっくり撫でる手…。

途端に敏感になる私を楽しむような昴を見上げると…。

「他の弱い所も知ってるぞ」

余裕な微笑みに、くらくらしてしまう…。
思わずもたれてしまう私の体をしっかり抱きとめた昴の瞳の奥が揺れたように見えた。

「俺しか知らない…」

少し寂しそうに聞こえるのは、気のせい…?

「他の男になんか…」

「え…?」

「…。いや。いい」

更に引き寄せられて、肩にこめられた強さの心地良さに浸りながら。

恐る恐る昴の腰に腕を回してみると。

そうするのが当たり前に感じる幸せに浸りながら…錯覚だとわかっていても…ぴったり寄り添って歩いた…。

やっぱり昴を好きになってしまったと実感しながら。