プラチナの誘惑

「もしかして、気づいてないのか?」

「何に?…さっき小椋さんにも変な事言われて…。

昴にからかわれるとかなんとか。

何の事?」

訳がわからなくて、両手を首筋に当てると、その私の左手を掴んだままじっと固定させる昴。

ちょうど人差し指あたりに鎖骨の堅さを感じて。

首をかしげていると。

「綺麗な赤い花。
夕べ俺がつけた花」

いたずら気味な顔を向けられて、さあどうだ…
みたいに言われて…。

赤い花…?
夕べ…?

あっ。
もしかして…。

はっとした目で昴に無言の言葉を送ると、くすくす笑われた…。

きっと、私の頭に浮かんだ答は正解に違いない…。
自分でも顔が赤くなっていくのがわかるくらいに熱くなってくる。

恥ずかしさにのぼせてしまいそう…。

「このキスマーク、見せびらかしながら出歩いてたんだな…。
俺のもんだって周りにアピールしながら」