プラチナの誘惑

「写真といわゆる釣書が入ってる。
アマザンホテルで働いてる人みたい。
私、写真は見てないからどんな人かわかんないけど」

「うん。わかった。
お見合いもアマザンでしょ?11時だったっけ?」

手渡した紙袋を受けとった日和は、一瞬悲しそうな顔をしたけれど…。

それは見間違いかと思うくらいにすぐに明るく笑って

「ふふっ。家に帰ったらじっくり写真見るね。
格好いい人ならいいけどな」

まるでわざと気持ちを盛り上げるような声が、いっそう私の心を戸惑わせる。

「…無理してない?
本当にお見合いしたいの?」

思わず出た私の声に、力無く笑う日和は、今までになくはかなげで。

「無理してないよ…。お見合いするし。
いい人なら結婚する」

「日和…」