プラチナの誘惑

寝ている昴を残して帰ってきた事を少し後悔してしまう。

昼頃に戻ると書き残したけれど。

次に会った時、私はどんな顔をすればいいのか…。
わからない。
わからないなんて、この歳になってまで言うのはおかしいんだけど…。
本当に、恋愛のいろはを知るよりも、自分の立ち位置を確実にするために生きてきたから。

初めて抱かれた翌日って…こんなにも。

気持ちがふわふわして恥ずかしくて緊張して…。
会いたくてたまらないなんて…。

閉じ込めてた感情は、一度解放すると飛び跳ねて散らばってしまって、もう…昨日までの私には戻れない…。

戻れない私自身を、それほど嫌じゃないのも新鮮。
そう、嫌じゃない。