プラチナの誘惑

なんだろう…。
日和にしても、結婚に対してこれほど前向きになる理由がわからない。

かわいらしい容姿を裏切る仕事への熱意が邪魔して、恋愛絡みの生活からは程遠く。
それを苦にせず過ごしているのに、どうしてお見合いをしようなんて思ったのか…。

相模恭汰さん目指してコンクールも頑張るって意気込んでたのに…。

そんなちぐはぐな日和の気持ちもわからないけれど、これから…。

昴と過ごした夜が思いがけず幸せ過ぎて、身体のあちこちに残る赤い花と、心地好くも思える身体の深い深い痛みが。

昴を求めてやまない。
たった一度抱かれただけなのに、私の大部分は昴に依存しそうになっている。
またあのベッドで昴の温かさに包まれたいって思ってしまう。

…もしも。

昴と私が本当の恋人なら、何度でも求める事ができるけれど…。

他に想いを募らせる女の人が住んでいる昴を求めることは、私にはできそうもない…。