プラチナの誘惑

思った以上に沈んだ心を流してしまいたくてシャワーを浴びた後、冷蔵庫を開けようとして。

扉に貼ってある紙に気付いた。

『冷えてるお水もらいました。
最後の一本なのにごめん。

お昼来る時に補充します

彩香』

多分、相当喉が渇いてるに違いないな…。

思わず緩む頬をそのままに、一人にやけてしまう。

『…初めてだから…』

不安がる瞳を見ても優しくできたかはわからないほどに深く愛して喘ぐ彩香を離さなかった長い夜。
あれだけ鳴いて、あれだけ乱れたんだ、喉はからからのはず。

彩香の初めての男になった証を突き抜けた瞬間の苦しげな瞳を思い出すと、もう少し優しくしてやりたかったと思うと同時に…。

きっと次は…もっと激しく彩香の身体を自分のものにしてしまうんだろうと…。

ふぅ…。

大きくため息をついて、側にあったテーブルに体を預ける。

一度抱いただけで、彩香を離せなくなりそうな初めて知る自分。

どこまで求めていくんだろう…。

冷蔵庫に貼られたメモを指でなぞりながら

「早く戻ってこいよ…」

俺ってこんなに弱かったのか…?

また、ため息が出た。