プラチナの誘惑

「…昴…?」

「…すっぴんのがかわいいな。それに、そのシャツも似合ってるし…。
俺と同じシャンプーの匂い…」

くくっと笑って、私を抱きしめた手はそのままにリビングへと昴は誘った。

さっきは気づかなかったけれど、リビングは軽く
20畳はありそうで大きなソファがあっても尚開放感がある。

ベージュと淡いグリーンでまとめられた家具は
センスよく並べられていて、高級感もある。

ただでさえ豪華なマンションに連れてこられて、今まで持ってた昴のイメージとの違いに違和感を覚えていたのに。

「…もしかして、昴ってお金持ち…?」

キッチンから何か飲み物を持ってきてくれた昴に
小さく聞いてみた。

「…は?」

本心からの戸惑った声が返ってきた。

グラスを両手に持ったままで立ち止まって私を見る昴は何を言っていいのかわからないように息を吐いた。