プラチナの誘惑

女に必死になった事なんてない。

付き合う女は皆、俺の外見と社長の息子というバックボーンに惹かれて寄ってくる。

結婚が現実味を帯びる年齢になった頃からは、笑顔に隠された女の人生設計を見てしまうようになって、どんな言葉や仕草にも心揺れる事はなくなってしまった。

誰にも揺れないって事は誰でもいいって事で。

近づいてくる女みんなが同じに見えた。

自分を取り繕い、俺の顔や親父の会社の事なんて意識してない振りで取り入る女達の中で、はっきりと

「玉の輿にのりたいから付き合って」

言い切る優美は別格に思えた。

あまりの正直さに感動もして…。
いずれ妥協して誰かと結婚するのなら、せめてあからさまに腹を割る女を側に置くのもいいかと割り切って。