「ホイコーローが良い」
「ホイコーロー?」
言ったはいいが、こいつホイコーローのこと忘れてんじゃないか?
クエスチョンマーク浮かんでるぞ、おい。
「うっし!んじゃ、今日はホイコーローで決定じゃ!」
「うむ。そうしてくれたまえ」
どうやら思い出したらしい。
冷蔵庫のドアを閉めて、付けたばかりのホットカーペットに座る。雫もソファーにあった毛布を膝に掛けて、テレビをつけた。
『今夜7時放送。実録。恐怖の呪い、心霊特集!』
「おっ♪」
「おっ♪」
『生首が追い掛けてくる歩道橋!その真相に迫る!さらに実録心霊写真を大公開!果たしてその霊力とは…?』
心霊映像か、見たいな。
「やった!録画すんぞ、雫!」
「がってんしょうちよ、ミカミの兄貴!!」
俺も雫も、ホラー・オカルトが案外好きで、心霊特集とかホラー映画とかつい録画をしてしまう。好奇心に負けるんだ。
「やっべぇ!やっべー!」
「お化けだお化けじゃぁ!」
テンションも自然と上がり、雫とふたりではしゃいでいた。

