―学校から二駅離れた所にあるマンション。
そこが俺と雫の住んでいる場所だ。
高校進学が決定してすぐ、バイト代で借りた。


「うっ…ちょ、マジ寒い。暖房入れていい?」
「駄目だ。電気代ばかになんねぇんだぞ」


無駄に電気代使いたくねーんだよ。
金はあっても困らないんだ、それくらいわかれよ!


「そういや雫。今晩の飯の担当お前だよな」
「あぁ、そうだったっけ?やべ…何っも考えてね」


月水金は雫、
火木土は俺が夕飯担当。


あいつもあれでなかなか料理が上手い。
羨ましい限りだな。
ソファーに鞄を放って、冷蔵庫に手をかけたときに雫が聞いてきた。


「ミカミ今日何食べたい?」
「んー…中華とか?」


ちょっと脂っこいものが食べたい。
たまにはこういうのも、いいと思う。


「んじゃ、中華で何が食べたい?」


雫の質問に、俺は冷蔵庫から取り出したペットボトルの冷水の蓋を開けて答えた。