風美か・・・。
あれはワザトか?
声が色気を含んでいるんだが。
雫がうなり声をあげながら考え事をしている。
なんだ、どうしたんだコイツ。
「駄目だ。思い出せない」
「何が?」
「風美先生に似た人間じゃないやつ」
モンスター?
「ドッペルゲンガーじゃね?」
「ちゃうわ」
そしてまた考え始める。
マジでなんなんだ。
「さ、早く席に着きなさい。入学早々遅刻つけるわよ?」
強気な女だな・・・・・・。
やりかねない、遅刻は勘弁。
「おい、早く座るぞ雫!」
「思い出せねー!」
雫を引っ張って適当な場所に座らせる。ここじゃ椅子を探すだけ無駄だ。壁に刺さってるし窓の下に落ちてるし。
風美先生が話し出す。
「さてっと。再度自己紹介ね。担任の風美雅子。教科は数学。みんな、一年間きっちりと言うこと聞きなさいね?」
確かに色気はあるが・・・・・・好みじゃない。

