俺達は教室の前まで着き、俺は心の中で睡魔と大乱闘し、雫は副会長を想いながらニヤニヤしながらドアを開けた。


「おは」

ガシッ!!!

「雫ー!!!ミッキー!!!」
「…っ誰がミッキーだ!!!」


ドアを開ける為にスライドさせたらなんとフジがジャンピングしてハグして来た。

そのうえ俺をネズミ呼ばわり……何てやつだ。


「…っ離せ!!」


肩に回ったフジの腕を離そうとしたが、フジの手は離れない。

「離さないでー!!ミッキー!!」
「いだだだだだだだッ!!!肩!!!肩が砕けるッ!!!だぁぁぁあ!!!」


怪力なのを自覚してないなんて馬鹿にもほどがある。
痛いって!!


いだだだだっっ!!


「ぉんどりゃぁぁあ!!」


怪力野郎を吹っ飛ばした。
美しい弧を描きながら飛んでいった。うん、90点!!


「お前はこの俺様を複雑骨折に追いやりてーのか、ボケ!!」
「違うよ、ミッキ~」
「ミッキーじゃねぇっつってんだろうが、あ"?(怒)」
「『ボク、ミッキーだよ☆ハハッハハッハハッ☆』」
「モノマネすな!!似過ぎてキモい!!」
「『いやしを!』」
「キ●ハかよ」


雫があのネズミの真似をしている。
俺はネズミじゃねえ。


「ショートコントはもういいから!!助けて、雫、ミッキーマウス!!」
「長くなってんじゃねーか!!」
「…(爆笑)」(←呼吸出来てない


笑いすぎで呼吸出来なくなって苦しそうにもがいてる。
……馬鹿め。


ん?『助けて』?
助けてって何だ、助けてって。雫もそれに気付いたのか、不思議そうにフジが指差してた方を見ていた。


「…女?」
「…誰!?」


そこには、見知らぬ女が立っていた。


左腰に手を当て仁王立ち、優越感に浸った変な笑みを浮かべて立っている。


そして開いた左手には―…



俺と雫が載るメンズ雑誌…。


「君達が、雫くんとミカミくんね☆」


猫なで声出すんじゃねぇ。
てかおまえ誰だよ。