ふと下げていた顔を上げると
いつの間にか校舎が見え始めていた。
次の角を曲がったら、学校に着く…。

そして、その角を曲がった、その時。


ドンッ
ガシャッ…


「…いてっ」
「いたっ…」

ほぼ同時に発したその声。
あたしは誰かとぶつかった。
とゆうか、轢かれた。
相手は自転車だったのだ。

そして目の前には
ぼんやりと、黒い影が見えている…

…ぼんやりぃ!?

あたしは先ほどまでかけていたはずの
眼鏡がなくなっていることに気付いた。

眼鏡をしていないから、ぼんやりしているのか!


「ちょ、あ、れ…眼鏡ーっ!」

あたしはわけがわからなくなり、
思わずそう叫んだ。