あたしは、一番階段に近い部屋に、荷物を置いた 前の家の、あたしの部屋よりずいぶんと大きかった とりあえず、かばんの中にある衣類を、クローゼットの中にしまった 衣類と言っても、学校の制服と、部屋着と… ほんのちょっとしか入っていなかった 「夏希ぃ!!」 一階から、達也王子の声がした 「は、はぁ~いっ!!」 あたしは、あわてて部屋から出て、下に降りる 達也は玄関にいた 「荷物、届いた」 達也は、玄関に置かれたたくさんの段ボールを指さして言った 「あ、わかった。 ありがと」