「そして俺はあいつらのいるベッドのカーテンを勢いよく開けた。

シャッ!

「うおっ!?」

「きゃっ!?」

そこにはベッドの上で絡まっている男女の姿があった。

「あー、こらー。男女不純異性交遊禁止ー」

「先生ヤダぁー」

「先公KY」

「でも裸になる前で良かったねー。僕に見られたくないでしょ?」

「だって屋上に先約がいたんだもん」

「屋上もダメ!そういうことは大人になってからしなさい!」

「それよりさ、なんでいんの?」

「ああ、神谷さんの様子を見に来たんだよ」

「はっ?神谷・・・って京!?」

並原がそう言うと神谷がカーテンから出てきた。

「隼人・・・」

「・・・」

「やっぱ遊びだったんだね。あたしほんとに信じてたのに・・・」

「・・・」

「ごめんね、邪魔しちゃって・・・」

「神谷さん?」

俺はわざとわからないフリをした。

「隼人ぉ、この子?」

「ああ」

並原の彼女はこのことを知っているみたいだ。

「本命の彼女さん?」

神谷が言った。

「ああ・・・」

「そっか。可愛いね」

「おまえ・・・」

並原はすこし焦っている。

「でも良かった。隼人が浮気しててくれて」

「は?」

「あたし最近思ってたんだ。なんでこんなバカな男と付き合ったんだろうって」

「・・・?」

「だって隼人バカなんだもん。どこも連れてってくれないし・・・」

「・・・」

「あたし、頭が良くて女心がよく分かって収入の安定してる人がいいの」

「え・・・」

「その彼女さんも可哀想だね。あんたみたいなバカで自分の欲のことしか考えられない人と付き合わなきゃいけないなんて。お金も無いし。隼人高卒で働くとか言ってたけど、高卒なんて出来る仕事が限られてるに決まってるでしょ?将来ホームレスにでもなりたいの?まぁ、そういうことだから。浮気しててくれて本当にありがとう。じゃ!」