飛夏羽はふらふらしながら翔太の家の前まで来て、其処で座りこんだ。

「…優都…ごめん…ごめんね…本当に…ごめん…ねっ…」

 飛夏羽が涙を流すのと同時に空からは大粒の雨が降り出した。

 この世界に神は存在するのだろうか…誰かが涙を流す時に何時も雨が降って
くるような気がした。

「…入れよ。」

 翔太が家から出て来て自分の洋服を飛夏羽に被せた。

「…翔太…」

 雨か涙か分からない、飛夏羽の濡れた顔を隠すようにして翔太は飛夏羽を抱
き締めた。

 飛夏羽は翔太を引き離し、そっと首を横に振った。

「…これで…良かったの…優都には…幸せに…なって欲しいから…」
「…飛夏羽の…母さんが来てる。」