優都は呆然と立ち尽くして、こっちを見ていた。
飛夏羽と目が合うと、優都は咄嗟に目を逸らした。

「…何しに来たんだよ?」

 翔太は鋭い目で優都を睨んで言った。

「ご、ごめん…邪魔しちゃったみたいだね…」

 優都は急いでその場から立ち去った。

「優都!待ってよ!待ってってば!」

 誤解を解く為に、飛夏羽は優都を追いかけ様とした。

「…飛夏羽!」

 階段を降り切った所で、翔太は飛夏羽を呼び止めた。

「…俺、どっちでも良いからな。」

 翔太は飛夏羽に笑顔で言った。

 飛夏羽は翔太を睨み、零れ落ちそうになる涙を抑えた。

「…分かってるんでしょ?私が…決断する答えを…」

 飛夏羽はそう言い残すと、優都の後を追いかけて行った。

 優都は飛夏羽との思い出の公園で、雨に濡れながら立ち竦んでいた。

 飛夏羽は息を切らしながら優都に近づいていった。

「…いっつも…優都はここに来るよね…何があっても…絶対に。」

 優都は一度飛夏羽の方を向き、それからまた目を逸らした。

「…別れよっか。俺達。」

 優都の言葉で、更に雨が強くなってきた気がした。

 優都は逃げなかった。
逃げずに飛夏羽を見つめ、零れ落ちそうになる涙を必死で堪えていた。
優都はただ、飛夏羽から返って来る答えを日田すら待つしかなかった。
結果は…