「鈴ちゃん!」 コマ劇場の前を歩いてると聞き覚えのある声が聴こえた。 振り向いたら歩だった。 「今帰り? 楓さんは?」 「楓は客と会うから先に帰った。」 何か泣きそうになった。 客と会ってるって実感したから。 「鈴ちゃん・・・。」 歩はあたしの頭を撫でた。 歩の手はゴツゴツしていて男を感じた。 顔は女の子みたいにかわいいのに。 「お腹空かない? マック行こ。」 歩はあたしを励ましたいのかマックに誘ってきた。 「ダメだよ。 見られたらヤバい。」 歩はしょぼんとした。 かわいい。