「行きません!!」


少し、いや、かなり怒った口調で答えるけど
先輩は面白そうに唇の端を上げながら『ニッ』って笑ってる


「だってまだ大羽は来ないんだろ?」


そぉ言って後ずさるワタシにジリジリと近ずいてくる


「先輩!!」




−グィッ!!!!



『いい加減にしてください』


言葉にしようとしたワタシの身体を誰かがフンワリ包み込んだ


あっ…この香り


ワタシを包むこのシトラスの香りは



「生徒会長が狼なら俺は赤ずきんを守る狩人だな。」



大好きで大切な人


昴君



「昴君!!」


「ごめん、萌音遅くなって」


抱きしめられてるだけで安心できちゃうんだから不思議



「ううん、時間ピッタリだよ!」



後からそっと包み込んでくれている腕に手を添えて
後ろに振り向くと

優しい笑顔があった


「て、わけなんで、悪い狼は帰ってもらえますか。」



口調は穏やかだけど鋭い視線を青矢先輩に投げかける


こうゆう時の昴君は機嫌が悪い証拠なんだよね


喧嘩になったらどぉしよう…
って不安になったけど


先輩の方はそんな事気にもしないで



「ハイハイ、からかってただけなのに本気になるなよ。」


って笑ってる