男は太い親指で、私の『暖かいもの』を拭った。


「ごめん…また来るからさ…いい?」


コクリと頷き、男は連絡先を置いて帰っていった。




この『暖かいもの』の正体……。

悲しみなんかじゃない…。
嬉しさなんかじゃない…。



憎しみなんだ。