由香 「 みんな集めてお祝いやろうよ!」 私も大賛成だった。 当麻のデビューを喜ぶ地元の友達は 沢山沢山いるはずだから。 でも、 当麻は珍しく真面目な表情で言った。 当麻 「 お祝いをやってもらうのは、 何年か先が良いな… どんな未来が待ってるのか 今はまだ わかんないから。」 当麻は 当麻なりに、 不安を抱えていたのかもしれない。 海沿いの田舎町で育った、 16歳の当麻。 都会の、 芸能界の、 大人の世界。 少しだけ臆病になった当麻の気持ちが、 大人になった今、私にも分かる。